甲州光沢山青松院


【心の杖言葉】


ホモレリギオースス(宗教の人)

三つ違いのあにさんと〽
 酷暑が続くなか、県外から観音様を拝観しに来られる方がおられます。 観音さま(観世音菩薩)はたいへんご利益のある仏様ということで、今日でも多くの人々の信仰を集めています。

 お里沢一の物語は壺阪霊験記で夙に有名です。

 目の悪い沢一は毎朝明けるか明けないか、そのころになると、美人で気立てもいい妻のお里がどこかへ出かけていく。身体の不自由な自分に愛想をつかし、他にいい男ができたのではないかと気が気でない。ある日、意を決して妻に言う。誰か別に男ができたのなら正直に言ってくれと。妻は驚き打ち明ける。実は、あなたの眼が見えるように、壺阪の観音様に願をかけに毎朝早朝、出かけていたのだと。沢一は自分の疑り深さを非常に恥じて、ある日谷に身を投げる。それを知ったお里も後から追うように身を投げる。 観音様のご利益か、なんと二人とも奇跡的に救われ、沢一はしっかり見えるようになり、以後夫婦仲睦まじく末永く暮らすようになったということです。文楽、浄瑠璃で有名な壺阪霊験記は簡単に言うとこんなお話です。

 奈良県高取町にある西国観音霊場第六番壷阪寺にまつわる話です。 ・・・いつか霊場巡りをしていたとき、男性の紳士、ある巡礼者が「いやあ、すごい話ですね。私は視力はよいのですが、あることが原因で心眼が曇ってしまい、このお寺にお参りするようになったんです・・・」などと自分の悩みを語り始めました。 もう少し話が聞きたかったのですが、残念ながら私たちのバスが来て別れてしまいました。あの男性はその後どうされていることやら・・・

 巡礼者ホモヴィアトール、悩む人ホモパティエンスは、またホモレリギオーススでもあるのです。 
(令和7年7月)



「ホモヴィアトール」
「柔軟心是道(ニュウナンシンコレドウ)」
「光あるうちに光の中を歩め」(トルストイ)
「鳥飛んで鳥の如く歩け」
「正師を得ざれば学ばざるに如かず」(学道用心集)
「エーレン、ヴエーレン」(ゲーテ、西東詩集からの言葉)
「大愚難到志難成」(夏目漱石)
「ステイハングリー、ステイフーリッシュ」(スティーブ・ジョブズ)
「菩薩行」
「辛抱という棒を一本建てよ  忍辱(六波羅蜜)」(板橋興宗禅師)
「愛情の温度計」
「何故なし!」(シレジウス)
「罪障の山高く 生死の海深し」(柏崎 地謡より)
「時時の初心忘るべからず」(花鏡)
「悟りといふ事は如何なる場合にも平気で生きて居る事であった」(病床六尺)
「放てば手に満てり」(弁道話)
「仏道を習うというは 自己を習うなり」(現成公案)
「道は虚にとどまる 虚とは心斎なり」(荘子・人間世篇)
「至人之用心若鏡 不将不迎 應而不蔵」(荘子・応帝王篇)
「壺中日月長」
「少くして学べば 壮にして成すあり」(言志四録)
「而今の山水は古佛の道現成なり 朕兆未萌の自己なるがゆゑに現成の透脱なり」(山水経)
「過則勿憚改」(論語学而)
「西行の和歌における、宗祇の連歌における、雪舟の絵における、利休が茶における、その貫道するものは一なり」(笈の小文)
「岐路こそまさに愛すべし」(楊朱)
「朝(アシタ)に道を聞かば 夕べに死すとも可なり」(論語 里仁から)
「億劫相別而須臾不離(億劫に別れて須臾も離れず)」(大燈国師)
「苦悩を貫き 歓喜に至れ」(Beethoven)
「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて すずしかりけり」(傘松道詠)
「よろこびは ひゃくぶんのいちの しんいっぽ」(虚仮子)
「人生はいばら道、されど宴会」(樋野興夫)
「念ずれば花ひらく」(坂村真民)
「生きるとは 死ぬときまでの ひと修行」
「為君幾下蒼龍窟(君がため幾たびか下る蒼龍窟)」
「衆生無辺誓願度(しゅじょうむへんせいがんど)」
「されば、人、死を憎まば、生を愛すべし。存命の喜び、日々に楽しまざらんや。」(吉田兼好)
「希望 工夫 気迫 感謝」(松原泰道)



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